教育

国語教師が教える!知られざる読書のデメリット3つ【性格への影響】

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「読書にもデメリットはあるのかな?」そんな疑問を抱いたことはありませんか。

昔から読書は文部科学省も積極的に推進しており、そのメリットが声高に叫ばれてきました。

国語力が上がる、想像力が上がる、頭が良くなる⋯などなど。

ただ、そのデメリットについては説明がされていません。個人ブログなどでも、「目が悪くなる」などの当たり前のことばかり書かれています⋯。

メリットについても「年収が上がる」など疑わしい・誇張され過ぎているものばかり。

そこで今回は国語科の教員でもある私が、知られざる読書のデメリットを3つご紹介します。

読書のデメリット3つ|性格への影響など

読書のデメリットについて、3つ考察してみます。

自分に「内向的」なイメージが付く

読書好きな人のイメージって、どんな感じですか?

一般的には、「おとなしい・物静か・知的・頭が良い・髪が長い・メガネかけてる」などの印象があるかと思います。

いわば「内向的」な性格というイメージですね。

読書とは一人で黙々と行う趣味である以上、そういったイメージはつきものだと思います。

その「内向的」ですが、人によってプラスのイメージだったりマイナスのイメージだったりしますよね。

内向的内向的

例えば↑のような外見の、イケメンメガネ男子や、可愛らしくて大人しい感じの女の子だったら、周りから見てもプラスのイメージに働くこともありますが⋯。

ただ実際には、「内向的」ってマイナスな印象に感じる人が多いんじゃないでしょうか。

性格が暗い、コミュニケーションをとるのが苦手、集団でいるのが苦手、大きな声を出すのが苦手、人を笑わせるのが苦手」などの印象がどうしてもつきがちです。

逆に、外向的な人は印象が良かったりしますよね。「明るい、いつも楽しそう、コミュニケーションが得意、人を笑わせられる」などなど⋯。

小学生とかで、威張ってる子とかが「アイツ休み時間に読書してるとか陰キャだな!友達と話す方が楽しいのに!」とか言う声もあるのもやはり事実です。

そういった「内向的」のイメージが、読書をすることによって自分自身に付いてしまう。そのイメージに引きずられて、性格も少なからず変わっていくこともありえるかと思います。

自分の性格がおとなしくて悩んでいる人は、もしかしたら読書によって知らず知らずのうちに、自分の「内向的」なイメージを固めてしまっているのかもしれません。

逆に大勢で行うスポーツや音楽など、外向的なイメージのある趣味を持てば、自分のイメージが変わって性格も「外向的」に近くなるかもしれません。実際に「この趣味に出会って、自分は変わった」なんていう経験がある人もいるのではないでしょうか。

結論として、読書は基本的に一人で行う趣味である以上、「内向的」なイメージとは切り離せないものだと思っています。ただし本の同好会・感想会などがあればイメージも変わるかもしれませんけどね。

登場人物の喋り方や思考をトレースしてしまう

喋り方

読書好きで、ちょっと喋り方に違和感があるな…という人が周りにいませんか?

私も昔、ミステリ小説好きの友人がいたのですが、やはりしゃべり方には少し特徴がありました。ホームズっぽい感じで温和な印象がありつつ、ただ少し固いな…といった感じ。

読書って、主人公に感情移入しちゃうと、その喋り方が移っちゃったりしがちですよね。小説だけじゃなくて漫画とかアニメ・ゲームでも覚えがある人は多いんじゃないでしょうか。

ただ小説って特に、その喋り方を現実に行うとかなり違和感があると思うんですよ。

例えば西尾維新の物語シリーズはアニメも人気ですが、登場人物はかなり特徴的な喋り方をしますよね。全員があんな喋り方をしているから良いんですが、一人だけあんな喋り方だったらやはり周りから浮きがちになっちゃいそうです。

話し方の影響を受けやすい人は、特に村上春樹の小説とか読んだ直後なんかには、「ねえ、君はわかってない。どうなるかといった問題ではないんだよ⋯」のような口調で人と話してしまい、変に思われたりもするかもしれませんね。

あと登場人物の思考や性格なんかもトレースしちゃうこともあると思うんですが、文学ってやっぱり暗めの性格の主人公が多いので、そういった部分をトレースしちゃうと、ますます内向的になったりすることもありえそうです。

いらない語彙を増やすと言葉の選択が煩わしくなる

語彙選択

読書をしていると、普段使わないような難しい言葉も覚えることが出来ますね。

それで語彙力が上がることは、読書のメリットだと言われています。ビジネスでも書類の文面やプレゼンなどで難しい言葉を使いこなせればかっこいいですね。

ただ、難しい語彙というのは日常会話で使うのには不向きです。まず相手がその言葉を知らなければ伝わりませんし、知っていたとしても理解するのに間が必要だったりします。「難しい話し方をする」「固い喋り方をする」という印象を与えてしまう原因にもなります。

また、語彙力のある人は表現の幅が広がる一方、選択肢があり過ぎてどの表現を選べばいいか考えるのに時間がかかることもあります。そのせいで集団での会話では、ワンテンポ遅れて上手く会話に入れないこともあり得ます。

全く本を読まず、語彙力も会話に支障のない程度しかない方が、むしろ選択肢が少ない分、テンポよく喋れたりするのかもしれません。「チョーうけるー」とかいう話し方をするギャルの会話とかって、聞いていて「よく次から次へと言葉が出てくるな…」とかって感心したりもします。

会話は分かりやすい表現で喋るのが一番です。読書によって覚えた語彙って、印象に残っているものはついつい無意識に使っちゃいたくなるんですけど、相手から「え、何て?」という反応が返ってきて慌てて平素な表現に直したりという場面も結構あるので、やっぱ難しい語彙を覚えるのも一長一短だなあと思ったりします。

周りの反応なんか気にせず、難しい語彙ばっか使う人というのも、それはそれで面白い個性ではあるんですけどね。

読書のメリットは誇張され過ぎている

これまで読書のデメリットを述べてきました。

「証拠はないだろ!憶測じゃないか!」という批判もありそうですが、そもそも読書のメリットだって、そのエビデンスが怪しいものが多いです。

数々のブログや本でも読書のメリットは色々と叫ばれていますが、やはり誇張され過ぎているものが多い印象です。

「頭が良くなる」は基礎学力が出来ていない子供が対象か

子供が対象

本を読めば頭が良くなる、というのは一度は聞いたことがあるフレーズだと思います。

たしかに本を読めば、読む力が付くことは紛れもない事実でしょう。他にも漢字・語彙力・知識など基本的な力が付きます。

ただしそれは基礎学力が出来ていない子供の読書が効果的ということです。

別に本を読めば読むほど頭が良くなるというような話ではなく、高校生以上の基礎学力が付いた後の人が読書をしたからって、確実に効果が得られるわけではありません。特に小説などでは「良い話だったな」で終わってしまうことがほとんどではないでしょうか。

別に読書が趣味じゃなくても、頭のいい大人の人なんてたくさんいますよね。

読書するだけ「頭が良くなる」というわけではなく、あくまで「子供の勉強に読書は効果的」って話なんだと思います。

「コミュニケーション力が上がる」はかなり基礎的な部分のみ

コミュニケーション力が上がる

読書によって登場人物の心情とかを読み解く力がつき、コミュニケーション力が上がるという意見もあります。

けど、それってまったく人の気持ちが分からないような、空気読めない人であれば効果的って具合だと思います。

読書で簡単に会話がうまくなるなら苦労しません。むしろアメトークとか、さんまさんのバラエティ見て研究した方が会話も上手くなる気がします。

ただ自閉症の子供が、読書治療によってコミュニケーション力が上がったというデータはありましたね。確かに日常会話の能力をアップさせるのであれば読書も効果的だと思います。

ただ普通に仲いい人と会話するのに不自由ないくらいのレベルであれば、読書から得るものは大して乏しいんじゃないでしょうか。会話に使えそうな知識とかも、別にインターネットとかSNSで拾えますしね。

コミュニケーション力が上手い人って、生まれつきの性格や自分への自信だとか、咄嗟の判断力の高さとか、そういう部分が大きい気がします。

むしろ読書によって、先に上げたように「内向的」なイメージを付けたり、喋り方が変になったりすることの方が心配だったりします。選ぶ本にもよるんでしょうけども。

「年収が上がる」は幾ら何でも言い過ぎ

年収が上がる

「読書量が多いほど年収が上がる」というブログ記事をいくつか見かけました。

それで「読書すれば年収が上がるんだ!」と真に受けてしまっている人も多いのではないでしょうか。

確かにデータとして、年収の高い人ほど読書している割合が多いとの検証がされているようです。

けど、それって単純に年収が高くて余裕のある人は、読書する余裕もあるってだけじゃないでしょうか?

ビル・ゲイツやウォーレン・バフェットが読書量が多いとのデータもありますけど、そりゃまあビジネスの最先端にいる人は、同業者の著書とかいろいろ読むんじゃないですかね。

もっと言えば、ゴルフでも同じ結果が得られると思います。けど「ゴルフやってる人ほど年収高い」→「ゴルフやれば年収上がる!」とはならないですよね。

まとめ

読書のデメリットについて3点まとめさせていただきました。

また、メリットについても誇張され過ぎているように感じましたので、自分の考えを書かせていただきました。

読書が好きな人には不快に感じた部分があるかもしれません。ただ読書を否定するわけではなく、どんな趣味にもデメリットはあるものです。スポーツにも怪我をしたりするリスクはありますし、ゲームなども依存症が怖かったりします。

ただメリットだけをならべて、「読書は良いものだ!」と妄信してしまうのは良くありませんよね。

読書も、スポーツも、旅行も、他人と交流することも、すべてに良いところ・悪いところがあります。

限られた時間の中で、デメリットの部分もしっかりと考えたうえで、読書を楽しみたいものですね。